この記事は岩手の詩人「宇部京子」さんより許可をいただき掲載しております。
文章、写真は宇部さんのブログから引用させていただいております。
---転載はじまり---
野田村は東を十府ケ浦の砂浜が弓なりにつらなり、西を青い山々がつらなる。
塩の道の始まりの地だ。
その青い山々の中に、いちばん高く鎮座しているのが和佐羅比山で、その頂の手前に日形井という集落がある。
胡桃と柿の里である。
日形井を象徴する小屋。うるいの花が咲き乱れて・・
むかしむかし、毎年暮れになると、カントウ袋いっぱいの胡桃が届いた。
母が子どもたちの古着を、山の人にあげていたのだ。
胡桃を割るのは父のしごとで、子どもたちが車座になって殻から実をとりだす。
その胡桃を父がたんねんにすり鉢ですり、胡桃だれを作る。
とおい記憶がよみがえる。
やね森。杉、かえで、しだ、ゆり、くるみ・・が生い茂り
日形井は遠い、遠いところ。その奥深い山の中に苫屋さんがある。 苫屋の手前にアジア民族造形館があり、茅葺きの民家が保存されている。 苫屋にはクミコさんとミツルさんがいる。150年の家屋は癒しの宿。
苫屋 玄関
クミコさんと、ミツルさんは旅人である。
ふかい霧につつまれた風情が、イギリスに似ているという。
それでいいなあと、そのまま居着いて、18年がたっちゃったそうだ。
雨は茅の上を玉になってころがっていく
ミツルさんは畑仕事と外仕事が主で、
窓のむこうに黄色い百合
クミコさんは自然の食材で創作料理に余念がない。
下味のついたやわらかい肉をじゅうねの葉でつつんだお料理
この囲炉裏で、癒されにくるリピーターが多い。
この暗さが落ち着く
ここ苫屋に電話はない。テレビもない。パソコンもない。
「あした、友達ふたり連れて行くね。お昼、お願いね!」とハガキを書いた。
屋根を吹き替えたばかりの苫屋さん
---転載ここまで---
曲がり家の宿 苫屋さんの案内
アジア民族造形館を過ぎて進んだ場所に「曲がり家の宿 苫屋」さんがあります。
一泊二食で5,500円からで泊まることができるようです。
こちらの宿は電話がないため葉書での予約になるようです。
住所:〒028-8201 岩手県九戸郡野田村大字野田5-22
文中に出てくる「アジア民族造形館」を紹介したページはこちら
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宇部さんの本を紹介したページはこちら
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