盛岡市鉈屋町寺ノ下の中ほどにあります。
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盛岡三十三観音の第五番にもなっています。
千手院撫でベコが本堂に安置されています。
塩の道撫で牛こさん
頂いたパンフレットより
二百年ほど前、千手院の境内に背赤の牛が気息えんえんとして倒れこんだ。牛は塩の道から来たらしく、塩の空叺をつけたまますっかり弱り果てていた。そこへ血相を変えた野田の牛方、清右エ門が「この野郎のために塩が全部、中津川で溶けてしまった、ぶっ殺してやる」とどなりながら駆けこんできた。なだめに入った寓円和尚は「畜生でも仏門を頼って助けを求めてきたのだ」と諭し、「牛には何の罪もない、どんな牛方でも時には追い方の誤りがあるのではないか」と説教した。
清右エ門は自分の非を悟り、牛の背をなんどもなんども撫でてあやまったが、牛は再び生き返らなかった。大変悲しんだ清右エ門は、牛の姿を当時の名工(藤田善九郎)に頼み、南蛮鉄で作らせて千手院に寄進したのである。
今、この撫でベコは多くの人に撫で愛され親しまれて、二百年の渋い黒光りの肌合いを見せている。頭を地にすりつけ、憐れみを乞う物悲しげな姿態に引かれて、千手院に詣でる人が後を絶たない。
塩の道撫で牛こさん(大)
塩の道撫で牛こさん(小)
千手院付近の見どころ